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美女は天下の回りもの

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このタイトル、考えたのは著者なのであろうか?

もし、違うタイトルであったならばこの本を手に取ってはいなかったかもしれない。

天下の回りものといえば、金。

金は天下の回りもの。

この意味と由来から考えてみれば、

このタイトルを考えた方はおそらく、美女ではない。

とっても失礼なことを言っていると思う。

でも、だからこそ惹かれたのだ。

そして、読み終えた結果面白かった。

そこに広がっていた林真理子ワールド。

文章は読みやすく、その世界に入りやすい。

その場所に一緒にいるような、自分が著者になったような

読んでいて本当に楽しかった。

林真理子さんの言葉の使い方が面白くて大好きになった。

⚪︎私は傷ついた。私は傷ついた。やや傷ついた私は。

⚪︎この傷ついた心をどうしたらいいだろうか。

この本の中で林真理子さんは3回も傷ついていた。

私は傷ついたという言葉を見つけたとき、

私は面白くて笑いつつ、可愛い人だなと思った。

私は、傷ついたという単語を使ったことがない。

そもそも、自分が傷ついたと自覚したことがない。

だけど多分、私は過去幾度となく傷ついていた。

そしてその傷は溜まりに溜まって何かをきっかけにして溢れ出してくる。

林真理子さんは言っている。

『私は傷ついた。この傷ついた心をどうしたらいいだろうか。』

私も使おう。

傷ついたその時に自分は傷ついたということがわかれば、

無駄に溜め込むこともなくなる気がする。

私は自分が自分でわからないんだ。

何かがあったその時、私の思考は停止する。

普段うるさいくらいに常に私の頭の中を支配しているくせに、

肝心な時にさっさと停止してしまう。

だから自分が傷ついたこともわからないまま。

林真理子さんは淡々と自分の心を解説しているように感じる。

⚪︎私は傷ついた

⚪︎私はキレた

⚪︎落ち込んだ

⚪︎反省した

⚪︎ふと思う ふと思った

⚪︎私ってバカ

⚪︎私の心はいくらか明るくなった

こんなふうに言葉にできたらその都度消化できるような気がする。

それに、私は文字が好きだ。

言葉や文章が好き。

読むのも書くのも。

今回、良い本に出会えたと思う。

良い本というか、良い人と言ったほうがいいのかもしれない。

どうして今まで読んだことがなかったのか不思議だ。

この本の中でお買い物の話が多々出てきた。

世界でたくさんの楽しいお買い物をしてきたであろうお話を

もっともっと読みたい私。

そんな本が出てるといいなと思いつつ、

何度か出てきたアンティックとアンティーク

意味は同じはず、

どう使い分けていたのかがとても気になっている。

だけれども、なんだか可愛い。

『アンティック』

美女は天下の回りもの
林真理子 
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